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平賀源内肖像 (木村黙老著『戯作者考補遺』 明治写)

平賀源内肖像(木村黙老著『戯作者考補遺』 明治写)

平賀源内(1728-1779)は江戸中期の博物学者・戯作者で、長崎に遊学後、江戸に出て活躍しました。西洋技術を取り入れて寒暖計、エレキテル(摩擦起電機)などを自作し、火浣布、源内焼などを考案して産業開発に貢献しました。戯作者としては浄瑠璃「神霊矢口渡」、談義本「風流志道軒伝」「放屁論」などが有名で、洋画の先駆者とも言われています。後年誤って人を殺傷して投獄され獄中で没しましたが、その活躍が多岐にわたり、多芸多才であることから「日本のダビンチ」と称されることもあります。 この肖像は、高松藩家老木村黙老(1856年85才で没) が、源内没後の1845年に本人をよく知る老人の話をもとに描いたものです。黙老の祖父も源内と親交があったと伝えられています。懐から覗いているのは、源内が開発した金唐革紙製の紙入れです。この肖像が描かれている『戯作者考補遺』は、馬琴の『近世物之本江戸作者部類』と石塚豊芥子の『戯作者撰集』を増補し、戯作者の肖像画を加えたものですが、原本は既に失われているため、写本として残っている本書は貴重です。[204@152@2]