keio

概要・沿革

概要

慶應義塾大学の6つのキャンパスそれぞれにある図書館(メディアセンター)は、豊富な蔵書と多種多様なデジタルコンテンツを活用していただけるように、オンキャンパスはもちろんウェブを介して様々なサービスと提供しています。メディアセンター本部が学内図書館ネットワークのハブとなり資料の受入や目録作業を一括して行う一方、各メディアセンターは独立した図書館として機能しながら、お互いが有機的につながり、慶應義塾の研究・教育・医療活動を支援しています。
早稲田大学図書館との協力体制は、1986年に始まる相互利用協定に始まり、現在ではシステム共同運用に繋がっています。
キャンパスの紹介はこちらをご覧ください。
メディアセンター概要

三田メディアセンター

 新館、旧館、南館図書室から成り、人文・社会科学の専門図書館として幅広い分野の図書や雑誌、電子資料を収集・提供しています。また、様々なオリエンテーションのプログラムを設け、教員と学生の研究・教育・学習活動を支えています。
 開館から100年を越え、長い歴史の中で収集された300万冊に及ぶ蔵書には、重要文化財を含む貴重書、多数の個人文庫や特殊コレクションも含まれます。これらの資料による学内外での企画展示会の実施に加えて、デジタル化した資料のインターネットによる公開にも力を注ぎ、社会への知的貢献に努めています。2021年度からは慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)、福澤諭吉記念慶應義塾史展示館との連携も増え、活動の幅を広げています。

日吉メディアセンター

 日吉図書館は、日吉キャンパスに通う学部1・2年生向けの様々な分野の資料はもちろん、旅行ガイドや実用書、話題の文芸書など充実した資料を揃えています。閲覧席は、静かに勉強や読書をするのに適したキャレル席、グループでの議論や課題の準備ができるグループ学習室、のんびりくつろげるラウンジなど、色々なタイプの席を用意しています。また、図書館の利用方法や大学生活に欠かせない情報の探し方に関するセミナーを数多く実施するなど、授業と連動して広く学習を支援しており、学生協働を形にした学習相談員や図書館フレンズの活躍の場ともなっています。
  図書館4階や来往舎レファレンスライブラリーなどには研究者向けの資料を配置しているほか、銀杏並木を挟んだキャンパスの南側にある協生館図書室では、日吉を拠点とする3つの研究科に属する教員、大学院生の研究を支援しています。

信濃町メディアセンター

 医学部の専門課程、看護医療学部の3・4年生、医学研究科の研究・教育・学習支援のほか、大学病院の医療活動や医学部卒業生を対象に、学術情報を提供しています。国内有数の医学及び関連分野の専門図書館として充実した蔵書を持ち、幅広い分野の電子資料へのアクセスを提供しています。電子リソース活用講座を始めとする情報リテラシー教育や、研究者の業績調査にも力を注いでいます。
 開設当初から週末も開館し、学外の研究者、医療従事者へも門戸を開放してきました。日本医学図書館協会(JMLA)の事業である「診療ガイドライン」作成のための文献検索にも協力する一方で、健康情報サービスとして慶應義塾大学病院の医療・健康情報サイト「KOMPAS」や、病院内に設置している「健康情報ひろば」の管理・運営を行い、患者の方々やそのご家族をはじめ、広く一般に医療・健康情報を提供しています。

理工学メディアセンター

 1971年にオープンした「本館」は、松下電器産業(現パナソニック)株式会社の創始者である松下幸之助氏の寄付によって建設され「松下記念図書館」と呼ばれています。2000年には、キャンパスの顔となる建物「創想館」の一部に図書館フロアを拡張し、採光豊かで開放的な学習スペースや夜間も利用できる自習室を設置しました。「本館」は専門資料の書庫と広い個人ブースのある昔ながらの静謐な空間、そこに「創想館」フロアのカジュアルな空間を合わせ持つことで、矢上キャンパス所属の学生に居心地のよい学習環境を提供しています。
 館内では大学院生スタッフによる学習サポート相談や各種セミナー・イベントが行われ、知的好奇心を高める交流の場所としても機能しています。また、学外の理工学研究者には広く門戸を開き、専門図書館として担うべき役割も果たしています。

湘南藤沢メディアセンター・看護医療学図書室

 学際的な研究を中心とする湘南藤沢キャンパスの「問題発見・問題解決型」教育を、情報のアクセス、入手、作成、発信という多様な側面から支援しています。 湘南藤沢メディアセンターでは図書・雑誌・DVD・電子書籍・電子ジャーナルなどの資料を提供するだけでなく、3Dプリンタ等モノ作りの機材が利用できるファブスペース、音・映像を収録するためのスタジオ、編集用機器などの設備を整え、授業やさまざまなコンテンツ制作に活用できる環境を提供しています。また、藤沢市民の利用や藤沢市民図書館との図書館間相互貸借サービスで、藤沢市との地域連携を実践しています。
 看護医療学図書室では、看護・医療・健康科学を中心とする資料だけでなく、闘病記や実習科目に関係するDVDも積極的に収集することで、主に看護医療学部、健康マネジメント研究科の学生・教職員の研究・教育・学習活動を支えています。

薬学メディアセンター

 2008年、慶應義塾と共立薬科大学との合併により、慶應義塾大学薬学メディアセンター(芝共立薬学図書館)はスタートしました。薬学および医学・化学・生物学などの資料を収集する専門図書館として、蔵書約5万冊、閲覧席数約150席と小規模ながら、他キャンパスのメディアセンターと連携して多岐にわたるサービスを提供しています。
 教科書や薬剤師国家試験問題集などカリキュラムに必要な資料を揃えるほか、軽読雑誌や旅行ガイドなどが並ぶブラウジングコーナーも設けています。薬剤師の資格を生かしながら多方面で活躍する医療人や、企業や行政で指導力を発揮するサイエンティスト、創薬・生命科学のプロフェッショナルを養成する薬学部・薬学研究科において、幅広い情報要求に応えています。

メディアセンター本部

 各メディアセンターの独自性を尊重しながら、それぞれの個性が発揮されるように全体を調整し業務支援を行っています。主に担っているのは以下の機能です。
(1)図書・雑誌など各メディアセンターが購入する資料の一括整理(受入・目録)
(2)電子媒体資料の購読管理
(3)図書館システムの管理運用
(4)慶應義塾から学術情報を発信する機関リポジトリ(KOARA: KeiO Associated Repository of Academic resources)やデジタルコレクションの管理運用
(5)保存書庫である山中資料センター(山梨県)の運用
(6)国内外の図書館および関連団体との渉外・調整

慶應義塾大学の図書館で働く

沿革

  • 1858 福澤諭吉、築地鉄砲洲に蘭学塾を開く
  • 1871 島原藩邸(現在の三田)の一室「月波楼」を図書室とする
  • 1887 煉瓦講堂の中に書籍館を設置(三田)
  • 1912 慶應義塾創立50年記念図書館(現在の図書館旧館)開館(三田)
  • 1935 大学予科図書室開設(日吉)
  • 1937 北里記念医学図書館開設(信濃町)
  • 1944 藤原銀次郎氏、藤原工業大学を慶應義塾に寄贈、校舎内に工学部図書室開設(日吉)(戦災で焼失)
    藤山愛一郎氏により芝白金の藤山工業図書館が慶應義塾に寄贈される
    北里記念医学図書館が慶應義塾に寄贈される(信濃町)
  • 1945 図書館旧館戦火により書庫を残して全焼
  • 1949 図書館旧館大改修落成式典
  • 1951 日本図書館学校(現在の文学部図書館・情報学専攻)開校(三田)
  • 1957 藤山工業図書館を閉鎖
  • 1958 藤山記念日吉図書館開設(現在の藤山記念館)(日吉)
  • 1967 図書館報『八角塔』(現在の『MediaNet』)創刊
  • 1968 図書館旧館重要文化財指定
  • 1970 研究・教育情報センター発足
    各キャンパス図書館の組織名を三田情報センター、日吉情報センター、理工学情報センター、医学情報センターと命名
  • 1971 松下幸之助氏の寄附により松下記念図書館開設(矢上)
  • 1974 図書館旧館ステンドグラス復元
  • 1982 慶應義塾図書館新館開設(三田)
  • 1985 慶應義塾創立125年記念事業として日吉図書館開設(日吉)
    閲覧システムCIRSYS稼働
    第1回慶應義塾図書館貴重書展示会開催
  • 1986 「早稲田大学および慶應義塾の図書館相互利用に関する協定書」締結
  • 1988 看護短期大学図書室(元厚生女子学院図書室)開設(信濃町)
  • 1990 湘南藤沢キャンパスの創設と同時に湘南藤沢メディアセンター組織が発足しΣ館でサービス開始
    湘南藤沢メディアセンターでオンラインパブリックカタログ提供開始
  • 1991 湘南藤沢メディアセンターΜ館へ移転
  • 1992 初の図書館統合システムKOSMOS稼働
  • 1993 研究・教育情報センターと大学計算センターを統合してメディアネットへ改組
    4キャンパス図書館の組織名を三田メディアセンター、日吉メディアセンター、理工学メディアセンター、医学メディアセンターに改称
    WWW上にはじめてメディアセンターのホームページを掲載(湘南藤沢)
  • 1994 全学の保存書庫として山梨県に山中資料センター開設
  • 1999 図書館システムKOSMOSII稼働
    横浜市に白楽サテライトライブラリー開設
    電子ジャーナルパッケージAcademic Press/IDEAL, PQDを導入
  • 2000 創想館1階・地階フロアに理工学メディアセンターを拡張(矢上)
  • 2001 看護医療学部の開設と同時に看護医療学図書室開設(湘南藤沢)
  • 2002 来往舎レファレンスライブラリー開設(日吉)
  • 2003 慶應義塾看護短期大学の廃止に伴い看護短期大学図書室閉室
  • 2004 メディアネットを廃止し、メディアセンターとして独立
    医学メディアセンターを信濃町メディアセンターに改称
    「一橋大学附属図書館と慶應義塾図書館の相互利用に関する申合せ」締結
  • 2005 南館図書室開設(三田)
  • 2006 慶應義塾大学学術情報リポジトリKOARA公開
    keio.jpによるリモートアクセスサービス開始
  • 2007 三田メディアセンターがグーグルブック検索図書館プロジェクトに参加
    リンクリゾルバSFX導入
  • 2008 共立薬科大学との合併と同時に薬学メディアセンター開設(芝共立)
    協生館図書室開設(日吉)
  • 2009 日吉保存書庫完成(日吉)
    慶應義塾大学病院に健康情報ひろば開設(信濃町)
  • 2010 図書館システムKOSMOSIII稼働
  • 2015 白楽サテライトライブラリー閉鎖
  • 2016 全学の保存書庫として山中資料センター2号棟開設
  • 2019 早稲田大学図書館と図書館システム共同運用開始
    図書館システムKOSMOSIV稼働