唐蘭船持渡鳥獣之図 [江戸中期-江戸末]写
唐蘭船持渡鳥獣之図 [江戸中期-江戸末]写 彩色 折帖 5帖
長崎町年寄高木家・松永安左エ門旧蔵
江戸時代、中国やオランダからもたらされた鳥獣は、まず長崎で絵にして江戸に送付し、幕府はそれを確認して必要な鳥獣を長崎から江戸に取り寄せていました。江戸の寛文年間、長崎に渡来した鳥獣を幕府に通報する役割を命じられた高木家では、珍獣が渡来すると御用絵師に絵を描かせ御用伺いを作成して江戸に送るとともに、その控えとして同じものを1枚同家で保存していました。それを明治時代に軸装から図譜にまとめたものが本書です。この図に描かれている動物は寛保~嘉永年間(1741-1854)までの225図で、獣類之図、犬之図、馬之図、鳥之図の4 種類5帖からなります。江戸時代に多くの鳥獣が外国からもたらされていたことはわかっていましたが、種名と渡来年が明確な事例はほとんどありませんでした。本書は江戸時代の動物渡来史を大幅に書き直すもととなった博物史上、貴重な資料です。昭和32年(1957)に松永安左エ門氏により寄贈されました。[132X@166@5]